共有レンタルサーバーを借りる際には、いろいろな視点からおすすめのサーバーについて言及されています。
この記事では、共有レンタルサーバーを借りる側の運用責任者の立場でどんな共有レンタルサーバーがいいかについて書いてみようと思います。
共有レンタルサーバーなんて、最新の環境をローコストで提供しさえすればいいというのが理想とおもいます。
まあ、そうだと思います。
ただ、自社サイトや自社ECサイトを共有サーバーで運用する場合、運用責任者の立場で見るとその景色は少々変わります。最新の環境でなくてもいいから自社サイト等の運用に必要な環境をFailSafeに実現することが可能な共有レンタルサーバーはどこ?と。
そう、運用責任者の求める共有レンタルサーバーの要件は”FailSafe”この一言に尽きるといっても過言ではないと思います。
少なくともうちはそのように考えています。
元プロレスラーのアントニオ猪木氏がおっしゃっておりました
「元気があれば何でもできる」と。
これになぞらえ、
「FailSafeなら何でもできる」といえると思います。
共有レンタルサーバーは借りている側からは、空気みたいな存在と思ったりします。
ただ、残念なことに、レンタルサーバーは、ハードウエア、ソフトウエア、そしてこれらの運用を行うサーバー側の運用管理者によってサービスとして提供されていますので、この構成要素のうちいずれかでも損なうとFailします。
そこで、FailSafeは理想なのですが、そうもいかないのでなるべくFaiSafeに準じた運用ができそうなサーバを選択する必要性が出てきます。
あとは自分の必要なサーバー容量、サーバースペック等でサーバーを選択することとなると思います。
以下では、これまでの経験から必要思う要素を挙げます。
ご自身の選択の糧にしていただければと思います。
サーバーがダウンしにくいこと
ここでいうサーバーがダウンしにくいこととは、レンタルサーバー会社管理のハードウエア、ソフトウエア等に何らかの障害が発生して提供されるべき共有レンタルサーバーの性能が発揮できない状況が生じにくいことをいいます。この中には、アクセス集中起因のものも含みます。
つまり、貸主の要因でサーバーが止まることがないような共有サーバーを選ぼうということです。
選び方ですが、共有サーバーのサービスサイトには、障害・メンテナンス情報を公開しているところが多いです。そこのページを見に行って障害報告記事にどのようなことが書かれているか確認してください。
注意すべきは、
・「ハードウエア障害により~」、
・「アクセスしずらい状況が発生していました。」、
・「負荷上昇による著しい速度低下」、
・「アクセスできない障害」
などの障害情報が掲載されている場合は注意を要します。
また、サーバー会社名で検索して口コミや、ネガティブ記事を書いているサイトを確認するのもいいと思います。
私がレンタルしてた共有サーバー会社は、結局7年間一度も障害なく超安定した環境を提供してくれました。
障害情報ページには何も記載されていませんでした。(超優秀で、最初に選んだにしては超ラッキーでした。)
サーバー選びのポイント
共有サーバー提供サイトの「障害情報」ページを確認し、障害記事の少ない会社を選択しよう。
サーバーの構成を確認
この項目は、たぶん誰も書いていないのではないかと思う事項です。
共有レンタルサーバーは、いろいろなハードウエア、ソフトウエアで構成されています。
主にレンタルサーバーは、
- Webサーバー
- DBサーバー
- Mailサーバー
- FTPサーバー
で構成されていると思います。
このうち上3つは別々に構成されているものが一番いいと思います。
それぞれ独立していれば個々に障害が発生したとしてもその影響はそのサーバのみに限定されるからです。
実際にあった話
ここで、過去に利用していた共有レンタルサーバーでひどい目に遭ったことがありますのでご紹介します。
そのサーバーは、WebサーバーとMailサーバーの機能が同一サーバー名xxx.hogeserver.ne.jpの中に設定されていました。
こんな感じに・・・・
WebとMailが同じディレクトリに存在しているわけです。
ある日、この環境下で運用しているサイトが閲覧不可能な状態であることが判明しました。自分で発見したのです。
レンタルサーバー会社のサポートにWebサイトの閲覧ができないことと当該Webサイトのドメイン名のメールアドレスの送受信ができない旨問い合わせたら、残念なことに「自分で何か消したのではないか?」という信じられない回答をされる。
こちら側で何も作業していない旨を伝えたら調べたらしく、「夜中にあったハードウエア障害」の影響で私のエリアで障害が残っているようだといわれる。
こちらとしては、障害を起こした側がリカバリーするものと思い込んでいたのでその旨伝えていたが、返事は「お客様側で対応してほしい」ということしか帰ってこない。
この間2日もかかる。
らちが明かないので、障害の発生時刻、その日のレンタルエリアのバックアップジョブの稼働時刻を尋ねる。
その返答に基づき、障害前のバックアップはどれかを特定し、全部Restore、運用しているサイトの戻したバックアップ時間から障害発生時刻までの間にこちらで行っていた事項をまとめ漏れた部分を元に戻す作業を行い復旧させました。
このように、レンタルサーバー会社は、HDDやSSDにハードウエア障害が発生した場合、自動でリカバリーするも救いきれなかったファイルなどは借主側でリカバリーするように求められます。
私たちはそこに備えなければなりません。
さらに悪いことに、サイトに設定してあるメールアドレスが障害のあったドメインのものであったのでこの障害でメールで障害が出ているという通知が来ないという悲惨な状況となっていました。
メールサーバーが別に設定されていればこのようなことは発生しません。
不運にもWebサーバーとMailサーバーが同じところに設置されていた場合は、サイトに設定してあるメールアドレスは、gmail等の汎用のものを指定したほうが良いと思います。
サーバー選びのポイント[
Webサーバー、DBサーバー、Mailサーバーは、別々のサーバー名で運用されていること。
バックアップサービスの確認
サーバーの構成を確認の項目で見ましたが、何かあった時にサーバー会社はリカバリー作業を完全に対応することはありません。
そのため、借りているサーバーエリアのデータ管理は、借主が行うことになっています。
借主は、借りているサーバーとは別のエリアであるローカル環境または、GoogleDriveなどの外部環境にデータバックアップを取っていました。
貸主であるレンタルサーバー会社でも貸しているエリアのバックアップを作成していますが、通常は、申請により有料で提供されるものでした。
しかし、近年ではこれが無料で提供されるようになったところが多いようです。
その代わりということなのでしょうか、何かあった時のリカバリー作業は借主側の作業となったのかもしれません。
「バックアップから戻す」という作業が避けて通れないケーススがありうるという現状から、サーバー選択の条件として次の事項が挙げられます。
サーバー選びのポイント
ファイルバックアップ、DBバックアップが少なくとも2週間分取り寄せることが可能なこと。
無料独自SSLの確認
数年前までは、SSLは独自のものは購入するのが常識でした。
また、SSLは一部のエリア(カートページなどセキュリティーが重要と位置付けられる部分)のみにかけていましたが、ある時期からWebサイト全体にSSLを書けることが常識になりました。
2013年にECサイトを立ち上げたのですが、その頃は上記のようにSSLを運用しているサイトがほとんどでした。
私の場合、2013年にECサイトを立ち上げた際には、めんどくさいのでサイト全体にSSLをかけて運用を始めました。
そしたら、あとからみんなが私と同じようにサイト全体をSSL化することになったので、今では手間が省けたと思っております。
このサイト全体をSSL化することの功績は、Googleであるキーワードの検索順が1位になったことでしょうか。
さて、このような流れでSSLは、ECサイトでなくても必須というのが現状です。
SSLには、いろいろなレベルのものが売られていますが、無料SSLというのもあります。
レンタルサーバーを選ぶ場合、この無料SSLが提供されているところを選びましょう。
そして、サイト構築の際は、ジャンル問わず、まずこの無料SSLでサイトをSSL化したうえでリリースしましょう。
状況に応じて有料のSSLを購入しアップグレードするほうが良いと思います。
サーバー選びのポイント
無料SSLの提供があるレンタルサーバー会社を選ぼう。
サポートが素直なと
いろいろなサイトでサポートが充実していることを挙げています。
私もその通りだと思います。
ただ、こちらが問い合わせたことに対して事実と異なる返答をされた場合、1つの問い合わせに対し複数のサポート担当者が携わる場合があります。その際人によって言っていることが違う場合、また、問い合わせ回答するサポート担当者が一人であっても言っていることが日によって変わっている場合などは、即刻違うサーバー会社に引っ越しすることを検討して、さっさと手を切ってください。
ろくなことにならないと思います。
サーバー選びのポイント
サポートに関しては、事実をのべること、正しく案内がされていることが必要です。
このことは、そのサーバー会社に入会する前にいろいろコンタクトをとればわかると思います。
サーバー選びのポイントまとめ
レンタルサーバーを借りる側の運用管理者視点でレンタルサーバーを選ぶポイントについて経験を交え書いてきました。
まとめますと以下の5項目となります。
レンタルサーバー選びのポイントまとめ
- 共有サーバー提供サイトの「障害情報」ページを確認し、障害記事の少ない会社(=サーバーダウンしにくい会社)を選択しよう。
- Webサーバー、DBサーバー、Mailサーバーは、別々のサーバー名で運用されている会社を選択しよう。
- ファイルバックアップ、DBバックアップが少なくとも2週間分取り寄せることが可能な会社を選択しよう。
- 無料SSLの提供があるレンタルサーバー会社を選択しよう。
- サポートに関しては、事実をのべること、正しく案内してくれる会社を選択しよう。
最後に、共有レンタルサーバーには、一般向け、法人向けと分けてサービス提供されていますが、法人で共有レンタスサーバーを借りる場合は法人向けを選択すべきかどうかについて述べてみたいと思います。
結論から言えば、中小企業の場合は一般向けで十分だと思います。
これまで8年間サイト運用を手掛けてきましたが、法人向け共有レンタルサーバーの利用は、1つのサーバーに入れる契約件数を抑え目にしているだけで、一般に比べストーレージ容量が少ない月額利用料が高いという印象が強いです。
そうだとすれば、容量多めでぎゅうぎゅうずめでも止まりさえしなければいいかなと思います。
おすすめ共有レンタルサーバー
最後に、私がおすすめする共有レンタルサーバーについて書かせていただきます。
おすすめするサーバーは、今このサイトを運用している共有レンタルサーバーです。
それは、
です。
ここは、「サーバー選びのポイントまとめ」で記載した5つの項目のうち(1)から(4)までを満たすサーバーです。
現在、(5)のサーポートについては利用機会がないためどのような感じかわかりません。
あと、こちらに移った際に感じたことは、表示速度がめちゃめちゃ「速い!」ということです。
残念ながら数値化はしていないのですが、体感として速さを感じます。
現在のところ、障害もなく快調に利用させていただいています。
以上、共有レンタルサーバーの選び方でした。参考にしていただければ幸甚に存じます。